新潟で太陽光発電はお得?メリット・デメリットや補助金制度も紹介 | トスケンホームブログ

新潟で太陽光発電はお得?メリット・デメリットや補助金制度も紹介

住まいのこと

住宅購入の際「太陽光発電設備もあった方がいいかな」と悩む方もいらっしゃるかと思います。
特に新潟県の場合、曇りの日が多く冬は雪が降るため、太陽光でどのくらい発電できるのか気になるところです。
この記事では、新潟における太陽光発電との相性や全国平均との比較を踏まえつつ、設置費用やメリット・デメリットについてまとめました。
自治体の補助金制度にも触れているので、太陽光発電を検討中の方はぜひ参考にしてください。

新潟の太陽光発電との相性は

新潟は国内でも特に雪が多く降る地域。
また、晴れの日が少ないことから、太陽光発電にはあまり向かないと思う方が多いようです。
しかし、年間平均の全天日射量(水平面の平均日射量)をデータで見ると、実は新潟の条件はそこまで悪くありません。

上図はNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)で公開されている、全国各地の水平面の日射量を表したデータです。

沖縄や九州と比較すると日射量は少なめですが、本州全体と比較して大差はないことがわかります。
続いて、新潟における季節ごとの太陽光発電の特徴を詳しく解説します。

冬は積雪があるため発電量が少なめ

太陽光パネルの上に雪が積もると、発電量は少なくなります。
ただ、冬の発電量低下は雪国に限った話ではありません。
冬は太陽の位置が低いため全国どこでも発電量が低下する傾向にあります。
また、積雪量が多い地域で気になるのが太陽光パネルや設備の破損ではないでしょうか。
最近では積雪地に特化したパネル設置台など、雪国向けの設備も多く用意されています。
屋根の傾斜、雪の積もり方、方角などを考慮し、最適な位置に設置することが重要です。

春〜秋の日射量は全国平均よりも多い

新潟の日照時間は非常に短いと思われがちです。
しかし年間の日照時間で見ると、全国平均と比べて8%しか差がありません。
また、春〜夏の新潟県の日射量は全国平均を上回っています。
冬は積雪があるため不利ですが、それ以外の季節では太陽光発電に有利な気候条件といえます。

新潟県における太陽光発電の普及率

新築住宅における太陽光発電設備の都道府県別普及率についてはヨーロッパ・ソーラー・イノベーション株式会社がデータをまとめています。

2021年4月〜2022年3月の都道府県別データをみると、新潟県の家庭用太陽光発電設備(容量10kW未満)の新規件数は1,010件。
新設住宅着工数が10,792戸だったことから、新規住宅に占める太陽光設備搭載件数の割合は9.36%です。
全国平均17.68%と比較すると、新潟の太陽光搭載率は低めです。
冬の積雪や曇りの日の多さから、太陽光発電に消極的な人が多いと考えられます。

発電量のシミュレーション

太陽光発電でどのくらい発電が可能なのか気になる人も多いかと思います。
太陽光発電設備を開発するメーカー各社のWebサイトでは、予想発電量がわかるシミュレーションが用意されています。
例えばシャープの太陽光発電量シミュレーション では、住所や発電容量、毎月の平均電気代を入力すると、おおよその年間発電量を算出可能です。
節約できる電気料金や発電で得られる収益もわかるため、設置費用を償却するまでの期間も把握できます。

新潟市中央区の発電量シミュレーション

例えば、弊社トスケンホームが新潟市中央区で運営する「土地と住まいの研究館(新潟市中央区神道寺2丁目4−22)」の発電量をシミュレーションした結果がこちらです(容量5kWで試算)。
年間発電量や設置費用目安をはじめ、売電収益、設置費用を償却できるまでの期間なども計算できます。

太陽光発電の設置費用

経済産業省の調達価格等算定委員会「令和5年度以降の調達価格等に関する意見」によると、2023年の住宅用太陽光発電の設備費用は1kWあたり25万9,000円と想定されています。

住宅用太陽光設備は、容量3kW〜5kW前後で設置するケースが多いため、約78万円〜130万円が設置費用の相場といえます。
なお、1kWあたりの設備費用は年々下がっており、2021年は27万5,000円、2022年は26万7,000円、でした。
住宅用太陽光発電が普及し始めた2012年には46万5,000円だったことから、およそ半額近くまで相場が下がってきています。
自治体の補助金制度なども充実していることから、今後も住宅用太陽光設備はさらに普及すると予想できます。

太陽光発電のメリット

住宅に太陽光発電設備を設置すると、具体的にどのようなメリットがあるのかをまとめました。
大きなメリットとしては以下の3つです。

  • CO2排出がなく環境にやさしい
  • 電気代の節約につながる
  • 売電収入が得られる

それぞれ詳しく解説します。

CO2排出がなく環境にやさしい

太陽光発電は他の発電方法のようなCO2の排出がなく、環境にやさしいエネルギー源です。
現在、日本の主力エネルギー源は化石燃料であり、火力発電によって電気が作られています。
火力発電は化石燃料を燃焼する過程でCO2を放出するため、持続可能な社会実現においては相反する発電方法でした。
使用する電気を自家発電の太陽光エネルギーに置き換えることで、環境に大きく貢献できます。

電気代の節約につながる

従来であれば自宅で使う電気は電力会社から購入する必要がありました。
しかし太陽光設備は使う分の電気を自家発電できるため、電気料金を大幅に削減できます。
また、電力会社のプランによっては、夜間使用分の単価を昼間より抑えているものもあります。
こういったプランに変更することで。日中太陽光が出ている間は発電した電気を使い、夜間だけ低単価で電力会社の電気を使う、といった節約も可能です。

売電収入が得られる

太陽光発電で作った電気のうち、自宅で使い切れなかった電力は「余剰電力」として電力会社に売電することができます。
売電する単価は設備を新設した年度によって決まっています。
たとえば2023年度の場合、1kWhあたり16円で売電可能です。
光熱費を抑えつつ、余った電力で収入を得られるため、設備投資額はおよそ10年程で回収できると言われています。

関連資料>>脱炭素社会に向けた取組~太陽光発電の重要性~/エコワークス株式会社

太陽光発電のデメリット

太陽光発電設備の導入で生じるデメリットとしては、主に3つあげられます。

  • 設置コストが高額
  • メンテナンスコストがかかる
  • 雪国ならではのリスクがある

導入を検討する際の参考にしてください。

設置コストが高額

太陽光発電の設置にはおよそ100万円前後かかります。
この金額は目安であり、設置する設備や設置業者によっても金額は変わります。
複数の工事業者に見積を依頼し、なるべくコストを抑えることが重要です。

メンテナンスコストがかかる

太陽光発電設備は、FIT法によって設置1年目および4年に1回のメンテナンスが義務付けられています。
(FIT法:電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法の略称)

メンテナンス内容は太陽光パネルの洗浄や点検、目視および専用機器による精密点検などです。
住宅用太陽光設備の場合、メンテナンス費用は1回あたり2万円〜5万円ほど。
破損や故障が見つかった場合は、太陽光パネルなら1枚10万円前後、パワーコンディショナーなら20万円前後かかるケースもあります。
設備に不具合が生じても対処できるよう、メンテナンスコストも必要資金として考えておきましょう。

雪国ならではのリスクがある

積雪の多い地域の場合、落雪事故などのリスクも把握しておきましょう。
太陽光パネル上の積雪は、日中の温度上昇などでパネルから滑り落ちます。
もし落下地点に人や物があれば落雪事故に繋がる危険があります。
パネル上の雪下ろしも、高所から落下すれば大事故になりかねません。
落雪対策として、雪止め金具を設置する、雪国仕様のパネルを選ぶなどの工夫が必要です。

屋根に太陽光設備を設置できる条件

住宅用太陽光設備は、メーカーによって設置できる屋根やエリアに条件があります。
太陽光パネルが設置できる屋根の面積や角度、沿岸部からの距離について解説します。

屋根の素材・角度

屋根の素材や角度によっては、太陽光パネルの設置に不向きだったり、メーカー保証がつかなかったりします。
例えば「銅板葺き」の屋根は、太陽光発電の架台と銅版とが化学反応を起こし、屋根が錆びるため設置できません。
また、屋根の角度は少しだけ傾斜のある30度が理想的とされています。
平らな屋根(陸屋根)の場合は温度上昇の影響を受けやすく、発電効率が低下します。
また、太陽光発電が最も効率良くなる方角は南側です。
片流れ屋根などで南側に傾斜がない場合、十分な発電量が得づらくなります。

沿岸部からの距離

塩害の被害を受けやすい沿岸部では、塩害対策がされた太陽光パネルを設置するのが一般的。
一方で、特に塩害の影響が大きい「重塩害地域(沿岸から500m以内の地域)」では、パネルを設置できないケースがあります。
塩害地域にお住まいで太陽光設備を検討している方は、あらかじめメーカーや工事業者に確認することをおすすめします。

雪国の新潟で太陽光を活用するポイント

  • 「0円ソーラー」で設備を導入する
  • 自治体の補助金制度を活用する

太陽光発電は初期費用が高額な上、気候条件で発電量が左右されます。
そこで、新潟で太陽光をお得に活用するために知っておきたいポイントを2つまとめました。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

「0円ソーラー」で設備を導入する

初期費用が気になる方向けの制度として、事業者が初期費用を負担し、住宅所有者は0円で太陽光発電を設置できる「0円ソーラー」があります。
0円ソーラーは環境省が推奨している取り組みです。
太陽光設置後おおむね10年間は発電した電気のうち使用量分の電気料金の支払いが必要ですが、11年目以降太陽光設備は住宅所有者に無償譲渡されます。
設備の維持管理も事業者側が行うため手間がかからないというメリットもあります。
詳細は環境省のサイトをご覧ください。
環境省 再エネスタート「0円ソーラー」

自治体の補助金制度を活用する

都道府県や市町村によっては太陽光発電普及のための補助金制度を用意しています。
例えば、新潟県では「新潟県版雪国型ZEH等導入促進補助金」として、1kWあたり7万円(上限31.5万円)の補助制度を用意しています。
お住まいの市町村の補助金制度については自治体HPに記載がありますので、調べてみてください。
なお、補助金制度の受付は先着順で、年度ごとに受付上限があります。
太陽光発電の導入が決まったら早めに申請するようにしましょう。

まとめ

新潟は気候条件がよくない印象があり、消極的な方が多いかもしれません。
しかし春〜秋の日射量が多いため、年間を通して全国平均とそこまで変わらない発電量を期待できます。
ここ10年ほどで太陽光発電が一気に普及したことで、雪国に特化した製品も登場しました。
また、太陽光発電の設置費用相場は年々下がっています。
自治体の補助金制度も充実しており、初期コストを抑えた導入が可能です。
太陽光発電導入をお考えの方は、本記事で紹介したシミュレーションも参考にしつつ検討してください。

弊社トスケンホームでは、一部エリアで太陽光発電設備を設置した建売住宅の販売もおこなっています。
成約前の物件であれば見学も可能ですので、「太陽光搭載の住宅を見てみたい」とお考えの方はお気軽にお問い合わせください。