建売を購入する際、購入価格のほかに手付金や印紙税、仲介手数料などの諸費用が発生します。
これらは、購入価格のように明確な金額が提示されていないため、あらかじめ相場を知っておく必要があります。
この記事では、諸費用の内訳やおおよその金額、節約する方法を詳しく解説していきます。
建売住宅の諸費用とは?目安は5%〜10%
建売の諸費用の目安は「5〜10%」と言われています。
注文住宅は10〜12%、新築マンションでは3〜5%が諸費用の目安と言われているため、建売住宅の諸費用はその中間くらいと考えていいでしょう。
また諸費用には以下の項目が含まれます。
- 契約書に貼る印紙代(印紙税)
- 売買契約の手付金
- 不動産会社に支払う仲介手数料
- 不動産取得税
- 固定資産税
- 都市計画税
- 各種保険料 など
なお、諸費用の内容や金額は依頼先によって異なるため、事前に確認しましょう。
価格帯ごとの諸費用の目安
諸費用の目安は、建売の販売価格によって増減します。
おおよその価格帯とそれぞれの諸費用をまとめたので見ていきましょう。
建売の価格 | 諸費用の目安 |
---|---|
2000万円 | 100万円〜200万円 |
2500万円 | 125万円〜250万円 |
3000万円 | 150万円〜300万円 |
3500万円 | 175万円〜350万円 |
4000万円 | 2000万円〜400万円 |
4500万円 | 225万円〜450万円 |
5000万円 | 250万円〜500万円 |
建売住宅の諸費用の内訳と相場
建売の諸費用に含まれる項目と相場を下記の3つにわけ、詳しくまとめました。
- 購入前に生じる費用
- 購入後に生じる費用
- 住宅ローン時に生じる費用
ぜひ住宅購入時の予算を考える上で参考にしてください。
建売購入前に生じる諸費用
建売購入前に生じる諸費用は手付金・印紙税があります。
以下に概要と金額の目安をまとめました。
諸費用 | 概要 | 金額の目安 |
---|---|---|
手付金 | 売買契約書を結ぶときに支払う。契約後は物件購入費用の一部として充当される。 | 物件購入価格の5%〜10% |
印紙税 | 不動産売買契約書に貼り付ける印紙代。 | 契約金額によって異なるが 概ね1万円 |
手付金
手付金とは、売買契約を結ぶ際に買主から売主に支払うお金のことで、購入価格の5%〜10%が目安です。
支払いは現金で行い、契約後は売買代金の一部に充当されます。
(弊社トスケンホームの場合、50万円となっております。)
印紙税
印紙代とは、不動産売買契約書に貼り付ける印紙代のことを指します。
契約金額によって変動するため、
価格帯別の税額を以下の表にまとめました。
※2024年3月31日までの契約であれば、「軽減後の税額」が適用されます。
契約金額 | 通常の税額 | 軽減後の税額 |
---|---|---|
500万円超1,000万円以下 | 1万円 | 5,000円 |
1,000万円超5,000万円以下 | 2万円 | 1万円 |
5,000万円超1億円以下 | 6万円 | 3万円 |
1億円超5億円以下 | 10万円 | 6万円 |
建売購入後に生じる諸費用
続いて、建売購入後に生じる諸費用について紹介します。
(購入後=契約締結から物件引渡し、住宅ローン融資実行までの間)
諸費用 | 概要 | 金額の目安 |
---|---|---|
仲介手数料 | 契約を仲介する不動産会社に支払う手数料 | 「物件価格×3%+ 6万円+消費税」が上限 |
不動産取得税 | 土地や建物を取得した人に課される税 | 物件価格の4% |
登録免許税 | 物件の登記手続きにかかる費用 | 物件価格の1%以内新築の場合0.4% |
固定資産税 | 住宅など固定資産を所有する人に課される税 | 課税標準額の1.4% |
都市計画税 | 都市計画法に基づく「市街化区域内」に所有物件がある人に課される税 | 課税標準額の0.3% |
司法書士費用 | 登記手続きを依頼するための費用 | 5万円〜10万円 |
追加工事費 | 網戸やカーテンレール、照明などのオプション工事費用 | 50万円〜100万円 |
仲介手数料
契約の際、仲介する不動産会社へ支払う手数料です。
仲介手数料は「物件価格×3%+ 6万円+消費税」が上限として法律で決められています。
建売の購入では、不動産会社の仲介を受けるケースが多いですが、仲介手数料を安く設定している会社もあります。
弊社トスケンホームの場合、売主の自社保有物件を扱っているため、不動産会社様を仲介せず直接お取引頂けます。
仲介手数料はかかりませんのでご安心ください。
不動産取得税
不動産を取得する際に課せられる税金が不動産取得税です。
物件の取得価格に基づいて計算され、国や地方自治体に支払われます。税率は地域や物件の利用目的によって異なりますが、一般的には取得価格の4%程度が目安とされています。
軽減措置が適用され、不動産取得税が0円になるケースもあります。
登録免許税
購入した建物と土地の所有者を変更するためには、所有権移転登記への登録が必要です。
この際に課せられるのが「登録免許税」です。
税額は物件価格の1%以内とされており、登記の種類によって異なります。
なお、新築建売の場合は0.4%と定められています。
固定資産税
土地や建物などの固定資産を所有している人が払う税金です。
固定資産税の課税対象となるのは、その年の1月1日時点での所有者です。
建売住宅を購入した年には、引き渡し日から翌年1月1日までの固定資産税を払い、その後も毎年支払いが発生します。
固定資産税の税率は「固定資産の価格(評価額)をもとに算定した『課税標準額』の1.4%」と決められており、一般的に数万円ほどです。
条件によっては、数年間の減額措置を受けられるので、購入予定の建売が要件に当てはまるか確認しておきましょう。
都市計画税
地域の都市計画事業に充てるための税が「都市計画税」です。
こちらは「課税標準額の0.3%」と決められています。
固定資産税とまとめて徴収されます。
司法書士費用
不動産登記をおこなう際、登記手続きは司法書士に代行を依頼します。
住宅購入における司法書士費用の相場は5万円〜10万円です。
追加工事
建売はお風呂、トイレ、キッチンなどの基本設備が備えられた状態で販売されています。
しかし網戸やカーテンレールなどの設備はオプション扱いとなり、追加工事が必要です。
建売で必須の追加工事として以下が挙げられます。
エアコン取付 | 1台2万円〜3万円 |
カーテンレール | 5万円〜10万円 |
照明 | 1つ1万円前後 |
網戸 | 1枚1万円前後 |
テレビアンテナ | 5万円〜10万円 |
洗濯パン | 2万円〜3万円 |
物干し | 2万円〜5万円 |
もし他にも温水洗浄便座や食器洗い乾燥機なども追加工事で対応することになり、全てあわせると50万円〜100万円になることが多いです。
トスケンホームでは上記の表のうち洗濯パン以外は全て標準品となっており、追加費用がかかりません。
住宅ローン利用時に生じる諸費用
建売を購入する時は、住宅ローンを利用するケースが多いでしょう。
住宅ローン利用時には、以下の諸費用が発生します。
諸費用 | 概要 | 金額の目安 |
---|---|---|
印紙税 | 住宅ローンの契約書に貼る印紙代 | 2万円〜4万円 |
ローン保証料 | 保証会社に支払う保証料 | 借入額の0.5%〜2% |
融資手数料 | 金融機関に支払う手数料 | 3万円〜5万円 |
代行手数料 | ローン借入の手続きを不動産会社に代行してもらう場合の手数料 | 10万円前後 |
保険料 | 火災保険や地震保険の保険料 | 20万円~50万円 |
印紙税
不動産売買契約書と同様に、住宅ローン契約書でも印紙代が発生します。
これは、住宅ローン契約書が印紙税法上の第1号文書「金銭消費貸借契約書」にあたるためです。
なお、固定金利と変動金利を組み合わせた「ミックスローン」や、夫婦で住宅ローン契約をする「ペアローン」の場合、住宅ローン契約書が2通作成され、それぞれの契約金額に応じた印紙代が必要になります。
また、住宅ローン契約書は税額の軽減措置がないため、通常の税額がかかります。
契約金額 | 通常の税額 |
---|---|
500万円超1,000万円以下 | 1万円 |
1,000万円超5,000万円以下 | 2万円 |
5,000万円超1億円以下 | 6万円 |
ローン保証料
住宅ローンの連帯保証人を立てる代わりに、保証会社に支払う費用が「ローン保証料」です。
保証会社は、ローン契約者が返済できなくなった場合、残りの返済額を金融機関に支払います。
保証料は借入額や借入期間によって異なりますが、相場は35年ローンの場合で融資額の0.5%〜2%ほどです。
融資手数料
ローンを借りる金融機関に対して支払う手数料です。
メガバンクや地方銀行は「3万円+消費税」、ネット銀行やその他の金融機関は「借入金額×2%+消費税」のことが多いです。
保険料
ローン契約時、火災保険や地震保険、団体信用生命保険に加入する場合が大半です。
これらの保険料は契約時に一括で支払うことが多く、金額はプランによって異なりますがおよそ20万円〜50万円かかると考えておきましょう。
建売住宅の諸費用を節約する3つのコツ
建売購入時にかかる諸費用は、できれば安く抑えたいものです。
ここからは、諸費用を節約できる3つのコツを紹介します。
仲介手数料を節約する
仲介手数料は一般的に「(購入価格3%+6万円)×消費税」です。
たとえば3,000万円の建売住宅を購入する場合、
(3,000万円×3%+6万円)×1.1(消費税)=105.6万円
100万円以上の仲介手数料がかかります。
もし100万円以上の仲介手数料を節約できることができれば、オプション工事や家具家電の購入の際に余裕が生まれます。
そこで選択肢として考えてほしいのが「自社保有物件を扱う住宅会社」です。
例えば弊社「トスケンホーム」の建売住宅は自社保有のため、仲介手数料はかかりません。
3,000万円の物件であれば、100万円近い節約に繋がります。
ローン保証料を見直す
保証会社へ支払う保証料は、フラット35などのローン保証がいらない住宅ローンを利用することで節約することができます。
また、頭金を多く支払い、ローンの借入金を減らすことでも保証料節約に繋がります。
生命保険や火災保険を見直す
火災保険は補償内容によって金額が異なり、15万円〜30万円と幅が大きいです。
特に「水災(豪雨、河川の氾濫、土砂災害など)への補償」の有無が金額に大きく影響します。
自治体が発行するハザードマップや、居住地域で起こり得る災害を確認したうえ、必要かどうかを判断しましょう。
本当に必要な内容だけに絞り込み、2〜3社の見積もりを比較することもポイントです。
建売住宅の諸費用はローンに組み込める?
頭金をなるべく少なくしたい人は「諸費用もローンに組み込めるといいんだけど」と考えるかもしれません。
マイホーム購入時は、諸費用も住宅ローンに組み込む方法が一般的です。
この記事で紹介している諸費用のほとんどが、ローンに組み入れ可能です。
ただし、不動産取得税や固定資産税、都市計画税など、入居後に支払う税金はローンに含めることができないためご注意ください。
また、引越しや家具・家電費用なども住宅ローンに組み入れできる「諸費用ローンワイド」を取り扱っている金融機関もあります。
例えば、第四北越銀行の住宅ローンでは、家具・家電の購入やマイカー購入なども住宅ローンに組み入れて借入できます。
しかし、何でもローンに組み入れるとその分、多く金利を払うことになる、という意識は持っておきましょう。
まとめ
建売住宅を購入する際に発生する諸費用の内訳やおおよその金額、諸費用を節約する方法について紹介しました。
諸費用は、土地や建物の購入価格と違い、明確な金額が提示されていません。
ハウスメーカーや工務店によって金額が変わる部分なので、物件を検討する段階からチェックして、自分たちに適した購入計画を立てましょう。
イシカワ・トスケンホームでは、最新の優良建売住宅の情報のご提供、予算組みのご相談など、住宅のプロフェッショナルが対応させていただきます。
いつでもお気軽にご相談ください。