積雪量の多い地域では、住宅の積雪対策が欠かせません。
特に重要なのが屋根の落雪対策です。
この記事では屋根に後付けできる雪止めの種類やメリット・デメリットについて解説します。
屋根の雪止めを後付けする場合の費用相場、雪止め以外の屋根の積雪対策も紹介しますので、参考にしてください。
屋根の雪止めは後付け可能!
落雪防止に役立つ雪止めは住宅を建ててから後付けが可能です。
ただし屋根の種類や構造、勾配などによって、適切なタイプは異なります。
また、太陽光パネルが設置されている場合は取り付けが困難です。
さらに雪止めは積雪量によって効果が異なり、数メートル級の積雪がある地域では取り付けが非推奨とされています。
雪止めが効果的な地域とは
雪止めが効果的なのは、年に何度か雪が積もる地域です。
新潟県内で言えば新潟市や新発田市、聖籠町などの下越エリアや、県内沿岸部などは比較的雪が少なく、雪止めが効果を発揮します。
雪は少量でも重みがあるため、落雪によって住宅の破損や事故につながる恐れがあります。
積雪が見られる地域にお住まいの方は、設置しておくのが安心です。
豪雪地帯は取り付けNG!
北海道や東北の豪雪地帯では、雪下ろしを前提とした住宅の設計になっています。
実際、雪止めがついている屋根はほとんど見かけません。
豪雪地帯では雪止めにかかる負荷が大きく、壊れたり外れて落下したりする恐れがあるため取り付け不可と考えてください。
雪止めの代わりに、融雪ネットや無落雪屋根などの別の対策がおすすめです。
屋根に雪止めを付けるメリット
雪止めを付けるメリットは以下の3つです。
- 雨どいなどの設備を雪害から守る
- 落雪による近隣被害を防ぐ
- 出入り口が雪に埋もれるのを防ぐ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
雨どいなどの設備を雪害から守る
雨水や雪解け水を排水するために重要な役割を果たす「雨どい」
雨どいはプラスチック製が多いため、破損しやすい建材です。
雪の重みによって取り付け部分が外れて、外壁を傷つけることもあります。
落雪による近隣被害を防ぐ
落雪は近隣の塀を壊し、通行人に被害を及ぼす恐れがあります。
雪止めは近隣とのトラブルや事故を防止する上でも有効です。
出入り口が雪に埋もれるのを防ぐ
豪雪地帯では屋根からの落雪で、住宅の出入り口が塞がれることも少なくありません。
雪止めを付けることで、出入り口に雪が積もるのを防ぎ、緊急の安全を確保できます。
屋根に雪止めを付けるデメリット
雪止めを取り付ける上で知っておいてほしいデメリットが2点あります。
- 経年劣化によるサビ
- 施工不良による雨漏り
これらは取り付け時の業者選びや、取り付け後のメンテナンスで解消できる問題です。
以下で詳しく紹介します。
経年劣化によるサビに注意が必要
雪の重みや風雨によって雪止めがダメージを受けることがあります。
特に金属製の雪止めは、経年劣化によってサビが発生しやすいです。
サビが発生した場合は、早めに交換や修理を依頼しましょう。
施工不良で雨漏りが起こることがある
屋根に雪止めを付ける際には、専門業者に依頼するのがベスト。
雪止めの取り付けには、屋根の材質や形状に合わせた工具が必要です。
専門外の業者に依頼した場合、雪止めが外れやすかったり、雨漏りを発生させたりする恐れがあります。
屋根の施工実績が豊富な業者を探すようにしましょう。
後付けできる屋根の雪止めの種類
雪止めは建築時に取り付ける場合もありますが、ほとんどの製品で後付けが可能です。
雪止めの種類には金具タイプ・瓦タイプ・ネットタイプの3種類があります。
それぞれ適している屋根が異なるため、以下に特徴をまとめました。
種類 | 特徴 | 適している屋根 |
---|---|---|
金具タイプ | ・屋根に雪止め金具を設置 ・釘を使わず取り付け可能 | ストレート屋根 |
瓦タイプ | ・瓦に雪止めがついている ・瓦の交換だけでOK | 瓦屋根 |
ネットタイプ | ・屋根からの落雪防止 ・外観への影響が少ない | すべて |
続いて、種類別の特徴を詳しく見ていきましょう。
金具タイプ
金具タイプの雪止めは、屋根に金属製の金具を取り付けることで、落雪を防ぎます。
屋根材の隙間に金具を挿し込んで固定するため、ビスや釘なしで取り付け可能です。
ストレート屋根に使われることが多いですが、瓦タイプにも設置できます。
瓦タイプ
屋根瓦の一部を雪止め用の瓦に交換することで落雪を防ぎます。
瓦と同じ色の雪止めを選べば外観も気になりません。
金具タイプに比べると、サビや雨漏りのリスクは低めです。
ネットタイプ
ネットタイプの雪止めは、屋根の上にネットを張ることで、落雪を防ぎます。
屋根の形状や材質に関係なく後付けでき、広い範囲をカバー可能です。
屋根の色に近いネットを選べば外観への影響も少なく済みます。
屋根の雪止めを後付けする場合の費用相場
雪止めの設置費用は、屋根の面積や雪止めの種類によって異なります。
大まかな費用の目安は以下のとおりです。
金具タイプ | 10万〜20万円 |
瓦タイプ | 10万〜30万円 |
ネットタイプ | 10万〜20万円 |
屋根の勾配によっては足場を組む必要があります。
その場合は別途で10万〜30万円ほど必要です。
雪止め以外の屋根の積雪対策3選
屋根の積雪対策は雪止めだけではありません。
屋根の形状や融雪設備の設置によって、雪下ろしが不要になったり、落雪被害を防止できたりします。
以下で3つの対策方法を紹介します。
- 融雪ネットを取り付ける
- 無落雪屋根を選ぶ
- 融雪システムを取り付ける
詳しく見ていきましょう。
融雪ネットを取り付ける
融雪ネットは、屋根の上に設置する網目状の融雪ヒーターです。
ネット上に積もった雪を溶かすため、雪下ろしの必要がありません。
工事費は1坪あたり4万円前後で、屋根の一部だけでも効果を発揮します。
無落雪屋根を選ぶ
北海道・東北・北陸など積雪が多い地域では、雪下ろしが不要な「無落雪屋根」を選ぶ方法もあります。
無落雪屋根は平らな屋根で雪の落下を防ぎながら、内部の温度を活用して雪を自然に溶かします。
無落雪屋根へのリフォーム費用は100万〜300万円ほどです。
融雪システムを取り付ける
屋根自体に融雪ヒーターや温水パイプを設置して、積もった雪を溶かす方法もあります。
電気式やボイラー式、散水式(ホース)など種類が豊富ですが光熱費がかかります。
費用は部分的な施工なら80万円〜150万円、設置範囲が広い場合は200万〜350万円ほどです。
まとめ
新潟などの積雪の多い地域では、住宅の雪対策が欠かせません。
快適に冬を過ごすためにも、積雪や寒さに強い住宅を選ぶことが不可欠です。
弊社トスケンホームでは、新潟の冬に強い建売住宅を販売しています。
イシカワグループは新潟県で木造住宅着工棟数14年連続1位。
新潟で選ばれる住宅の暖かさ・快適さは、実際の物件でお確かめいただけます。
新潟県内でマイホーム購入を検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。